写真: DW

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シリアの裁判所は、追放されたシリア前大統領バッシャール・アル=アサドに対し、欠席裁判で死刑判決を言い渡した。アサド政権が崩壊してから1年半以上が経過している。アサドの弟で、政権崩壊後にバッシャールと同じくモスクワへ逃れた元軍高官のマーヘル・アサドにも、欠席裁判で死刑判決が言い渡された。1

また、アサドのいとこであるアテフ・ナジーブにも死刑判決が言い渡された。しかし、バッシャールとマーヘルとは異なり、ナジーブは自身に対する裁判に出廷していた。ダルアーの政治保安部門の元責任者であるナジーブは、レバノンから帰国した後の2026年1月に逮捕された。ダマスカスの第4刑事裁判所での公判は4月26日に正式に始まり、その後5月にも審理が行われた。

「欠席裁判」とは、被告人本人が裁判所に出席していない状態で刑事手続きが進められることを意味する。アサドの場合、2024年12月の政権崩壊後にロシアへ逃れ、現在も同国で生活しているため、シリアの裁判所は本人が不在のまま裁判を進めた。そのため、今回シリアの裁判所が死刑を言い渡したとはいえ、実際に刑を執行するためには、アサドをシリア当局の身柄の下に置く必要がある。シリア政府はこれまでにもロシアに対してアサドの引き渡しを繰り返し求めているが、ロシアはこれまで身柄を引き渡していない。2 したがって、アサドが国外にいる限り、今回の死刑判決が直ちに本人に物理的な影響を及ぼす可能性は低い。

また、アサド一族が別の居住先を探していたとも報じられている。イスラエル紙イェディオト・アハロノトによると、一族は今年6月、アラブ首長国連邦での永住権取得を求めたものの、安全保障上の理由から拒否されたという。UAE当局は、アサド一族が同国内に滞在することで安全上のリスクが生じ、暗殺の標的となる可能性もあると懸念したとされている。3

一方、アテフ・ナジーブを取り巻く状況は大きく異なる。ナジーブは裁判に本人が出席しており、現在もシリア当局の拘束下にあるため、アサドとは異なり、今回の死刑判決をシリア当局が実際に執行できる立場にある。ナジーブは、アサド政権の主要人物として死刑判決を受け、なおかつシリアの新たな司法当局の手の届く場所にいる人物の一人となった。もっとも、死刑判決が直ちに執行されることを意味するわけではない。実際の執行には、司法上および政府による手続きが必要となる可能性がある。それでも、国外で暮らすバッシャールやマーヘル・アサドとは異なり、ナジーブはすでにシリア国内で国家当局の拘束下にあるため、その判決が単なる「国外にいる人物への判決」にとどまらない点は大きい。

それでも今回の判決は、アサド政権時代からの過去を乗り越え、新たな未来を築こうとしているシリアにとって、大きな一歩と言えるだろう。

1. Al Jazeera

2. The Guardian

3. Enab Baladi

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